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アマゾンについての一言−その二

「在庫」をもう少し詳しく言う。たとえば版元(出版社)での棚卸し時。
編集者が何かの仕事で自分のデスクに一冊本を置いておいたとしよう。
それは棚卸し時には絶対に数える。または流通の過程で、どこか目立たないところに本が一冊紛れ込んでいたら、それも市場在庫ないしは流通在庫になる。廃棄処分しない限りは、またはその本が商品価値を崩していなければ、生き続けるわけで、流通在庫や市場在庫は、売れなければ返品として出版社に帰ってくる恐れがある。
ただし何年も経ってからだと、出版社は受け付けられない。なぜか。再版している場合があるからだ。訂正版を作っている場合もある。そのリスクがいやで、書店は早く返すということも考えられる(まあ少し揶揄があるが)しやはり本は生き物である。
さて、話しを元に戻すと、アマゾンが「在庫切れ」という表現を用いている、と言った。そしてこれは読者ないしは購買者に誤解を与えかねない、とした。
どのような誤解か。
つまりは、書店側には(その書店の倉庫に)在庫がないだけなのに、購買者は購入する機会を逃したか、と思ってしまうことだ。しかし出版社には依然在庫がある場合がある。
そして、では購買者がもはや新刊の状態で詠むことはできないと判断したらどうするか。ご自分の経験に当てはめてみてほしい。
多分古書店を探すだろう。
いかがだろうか。
私の経験では読者とは、衝動買いをするものだと教えられてきた。まあこれは専門書か一般書かによるが。
しかし、アマゾンは「マーケットプレイス」というシステムをもつ。個人が出品できる仕組みだ。そこで、だれかわからないWが、出版社が5,000円で定価販売している本を、10,000円でマーケットプレイスに出品したとしよう。
もし、先ほどの誤解で購買者がもう図書館でしか読めないか、と諦めかけていた本が、目の前に少し値段は高いが手に入る、俄然現実味を帯びてきた事実を呈されたら、私だったらもう天にも昇る気持ちだろう。
そして、10,000円出して買うとする。
すると、そのだれかわからないWである出品者は、マーケットプレイスは15%の手数料をとるらしいから、1,500円と、この定価5,000円の本をどこかで仕入れてきたとして、定価なら
5,000+1,500=6,500円が経費としてかかり、10,000円で売ったのだから、差額3,500円の儲けになる。
おそらくもっと高い値段で売るだろう。やっかいなことにそれが商品を見る目もそなえているとすれば、怖い。
たとえば、岩田氏が調べた出品者Kは、3,500点の書籍をアマゾンマーケットプレイスに出している。その資金力も大したものだ。もし平均定価3,000円×3,500点=10,500,000円すなわち一千万円の資金がある計算だ。
実際に、注文してみたら5日目には届いたそうだ。差出人の住所は沼津。東京ではない。また、岩田さんのところに注文が入ったという気配もないという。やはり、在庫としてもっているのか。
さて、その後岩田さんのところでアマゾンに出品したら、今度は定価より安く値段を設定してきた。相当研究している。
そういう出品者が他にいるということでこの話しは一段落するが。
やはり購買者ないしは読者諸兄は、専門書の場合特に注意して買われたほうが得策に違いない。

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